R5 高志探究ⅡA中間発表会

令和5年8月31日(火)6~7校時に、本校第1アリーナにて、高校2年生普通科の生徒146名が、ポスター形式で課題研究の中間発表会を行いました。

本発表会の目的は、「4月から始めた課題研究の内容を発表して、様々な意見や助言をもらいながら、研究の質の向上を図ることと、プレゼンテーションの能力を身に付け、質疑応答を通してディスカッション能力の向上を図ること、です。

これまで高校2年生普通科では、毎年12月下旬の全校発表会にポスター発表を行ってきましたが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、外部の方から助言を受けることができない状態でした。ようやく昨年度、大学教員や地域で活躍している方などを招聘し、助言・指導を受けることができました。

その際、ポスター発表した生徒さんから、「もっと早く助言指導の先生方の話を聞く機会を設けてほしい」との声が多数聞かれ、今年度、初めて高校2年生普通科の高志探究ⅡAの中間発表会を開くことになりました。

当日は、12名の助言・指導者をお迎えし、普通科2年生146名がポスター発表を行いました。また、普通・理数科1年生187名は6校時に、普通科3年生167名は7校時に聴講し、発表に対する質疑応答が頻繁に行われました。

全体講評では、助言者の岩手大学理工学部の高木先生から、課題研究の内容について、以下のご指導をいただきました。

  • 課題研究の目的は「生きる力をつけること」。考える力の価値はAI社会でも変わらない。考える力を高めて、AI社会に必要な人材になること。
  • 筋道を立てて考えることが大切(以下の4段階がクリアになるように、論理的につなげること)。
    1. 問題点から課題を設定する際は、先行研究をしっかりやる(他の人がやった研究を繰り返さない)。
    2. 仮説を立てる際には、想像ではなく、こういう理屈でこうなるという論理が大切。
    3. 仮説の正しさを確認する実験を行うこと。モデルにする、抽象化する、数値化する方法がある。
    4. 考察する際は、仮説の検証ができたかを示すこと。
  • 研究はストーリーを作ることである。研究が進んだら、研究内容に合わせて、ストーリーを作り直していく。

また、科学技術振興機構主任専門員の奥谷先生から、以下の感想をいただきました。

  • 質問すること・されることが大切。自分が気づかなかったことを他の人は質問してくれる。それによって、新しい視点が生まれる。
  • 参考文献が分かるように示すことが大切。高校生の研究に加えて、大学等の研究者の研究結果が記された論文を読むようにする。
  • 原稿を読むのではなく、直接相手に語りかける自分の言葉で伝えられるようにする。

【生徒の感想(発表者・高2普通科)】

  • 去年の発表よりも、ハキハキとしゃべることが出来たし、相手の目を見て発表できて成長をかんじた。また、質疑応答についてはまだまだ課題が多いと感じた。
  • 今回は多くの人が聞きに来てくれたので、声が届くように大きな声で発表できた。また助言者の方や、他学年からもらったアドバイスをメモすることができた。他者から見た意見が研究を深めるのだと改めて思った。
  • 自分たちの研究を発表してみて、まだまだ荒削りな部分が多いと感じた。また、研究内容も浅いことも知れた。助言の先生方にも色々指摘して頂いたことで今後の研究の道筋を立てることが出来た。今回の発表で出た疑問点や課題を修正し、次のステップに進んでいきたい。
  • 緊張したけどそれなりに発表はうまく行ったと思う。研究に関しての理解が足りなくてあやふやになっていたところがあって質問に戸惑っていたところがあった。また、先生方からアドバイスをもらい、モチベーションが上がり頑張りたいと思えた。良い機会になった。
  • 自分たちの研究以外を見ることで、研究に対しての視野がとても広がった。 質問をしてもらうことで、自分たちの発表のどこが分かりにくいのか、どこが欠けているのかなどがはっきり分かって良い機会になった。

【生徒の感想(高1)】

  • 身近で知らないことや気になることを詳しく書かれていてとても興味深かった。ポスターの書き方や発表の仕方など、来年の課題研究の参考になる部分もたくさんあって得られるものが多かった。
  • データの活用の仕方、仮説のたてかた、発表の仕方やアンケートのとり方など参考になる部分が多く、素晴らしいものだった。
  • 私たちも、来年になったら他者に対して自分の研究を分かりやすく、かつ論理的に説明していかなくてはならないのだなと実感した。それと同時に、先輩方の発表は、ポスターに書いてあることだけでなく口頭で説明を付け加えるなどされていて参考にしたい点が非常にたくさんあり、聞き応えがあった。色々なジャンルの発表を聞くことができて楽しかった。
  • 研究発表を聞いて、研究の道筋や事象から問いまでの流れがしっかりしていてすごいと思った。来年は自分たちができるようにがんばりたい。また、助言の先生方と発表者のやり取りを聞くことで、研究とは何か、どこがゴールで何をしたら良いのかを知ることができた。いい機会だった。
  • テーマに対する先行研究や、先行研究から得た知識に加えてよりワンランク上の研究をしなければ探求調査の意味がないと分かったから、自分たちが研究し、発表する立場になったら、既に導かれていることではなく、新たな課題を見出して研究したいと思った。

【生徒の感想(高3普通科)】

  • 後輩の研究の研究テーマや実験方法などを聞いて、自分の研究でもこのような実験方法をしたらどんな結果になっていただろうかということなどを考え、自分の研究についても考えを深められたのでよかった。
  • 聴講する側になって参加してみて、疑問を抱いても質問を上手く言葉にできなかったり、受動的な態度で発表を聞いていたところがあった。話を聞く際は、説明の旨を聞いている側が汲み取って能動的に聴講したいと思った。
  • 研究途中の発表を聴くことで、結果よりも今後の研究について質問することができて新鮮だった。実際の研究に向けた軌道修正ができる時点での発表も悪くないなと思った。

【後輩の発表を見て気づいたところ(高3普通科)】

  • 自分の研究で具体的な数値をあげて根拠を示さなければならないと学んだので、後輩の研究で数値を用いておらず、客観性が少しかけているところが気になった。
  • 研究したいことに対してのアプローチの仕方が他にあると思った。発表の仕方として、手元にまとまった原稿があった方が、聞き手にも聞きやすいと思った。できるだけ、数字としてデータに残すべきだと思った。
  • 実験が終わって結果が出てるグループでも対照実験の条件が不十分だったり、実験の意図がわからなかったりしていた。
  • しっかり調べていたのだなという印象があった。質問にも答えられていたので、自分自身も学びが深まったと感じた。でも思いつきで先行研究もなしに研究をしている班もあったので今一度、高志探究のあるべき姿などを確認すべきなのかもしれないと思った。

【昨年12月の全校発表会に比べて、どのような視点でものを見ることができるようになったか(高3普通科)】

  • 仮説を実証する実験での再現性や筋が通っているかをより見ることができるようになった。
  • より研究における調査の必要性や信頼度を重視することができるようになった。
  • 研究方法や仮説の立て方だけでなく、その研究を行うことでの利点をより深く考えることができるようになったと感じた。
  • 最終的な研究の締切から現段階で行っていなければならない研究を逆算して考えるようになった。
  • 仮説は前例のどの部分を参照してたてている?研究は本当に同じ条件で行われたもの? その考察は結果に沿ったもの?  ということを考えながら聞くことができた。
  • 研究で解き明かしたい事実に対して、実験方法に矛盾がないかをみた。また矛盾があった場合どう解消するのかを質問、アドバイスした。

発表のタイトルは、次の通りです。

Noテーマ
1①ー1気分が上がる曲とは?~感情と行動から
2①ー2動画の速度と学習
3①ー3電子書籍から紙書籍へと引き込む
4①ー4文字で貴方の心が丸わかり!?~奥深い筆跡学の世界~
5③―1一関で難民を受け入れることは可能か
6②ー1観光資源が人口に与える影響は何か~北東北の拠点都市の挑戦
7②ー2一関のUターン政策について~Uターンする人を増やすためにできることは?
8②ー3一関夏まつりに市外観光客を誘致するために必要なこと~夏祭りを盛り上げよう
9④ー1SNSと若者の投票率の関係について
10④ー2岩手県内でパートナーシップ制度を導入している市町村としていない市町村では、
どのような違いがあるのだろうか
11⑤ー1一関で企業が生き残るには
12⑤ー2WBCの経済効果
13⑥ー1日本ブームを起こそう
14⑥-2一ノ関駅に必要なユニバーサルデザインとは何か
15⑥-3世界一幸福な国を目指して~フィンランドから学ぶ幸福度・教育世界一の秘訣
16⑥ー4音楽と果物〜2つの因果関係の調査
17⑥ー5義務教育課程において、岩手の未来を創造する人材を育成する指導方針とは何か
18⑥ー6解きたくなる問題と解きたくならない問題の違い
19⑥ー7あなたは大丈夫?一高生のスマホと勉強の関係について
20⑦ー1トラス構造の強さを探る模型からわかるトラス構造の強さ
21⑦ー2バネを用いた電磁誘導型発電機における力の加える向きと発電量の関係
22⑦ー3球体を掴むのに適した把持ハンドをつくる
23⑦ー4音声認識の精度に最も影響するものとは
24⑦ー5ジェンカを高く積む方法
25⑧ー1ビタミンCを効率良く取るにはどのような方法が良いのか。
26⑧ー2非常時にも使える野菜を使った発光実験
27⑧ー3昆虫食材の持続可能に関する研究
28⑨-1一関市内における河川環境による水生生物の生態系の変化
29⑨-2ダンゴムシの弱点を探るーダンゴムシの丸まる原因は
30⑨ー3植物は N,P,K どの栄養素が一番好き?​〜ルッコラ編
31⑪ー1距離と障害物におけるWi-Fi速度テストの実施
32⑪ー2人は「会話」において どのようなときに“それ”を人であると感じるか
33⑫ー1毎日5分で視力回復?!~最も効果のある視力回復とトレーニングは何か
34⑫ー2スプリットステップの重要性
35⑫ー3乳幼児も安全に使える消毒の生成方法
36⑫ー4あなたはどのマスクを選びますか?

本発表会では、下記12名の大学の先生を助言・指導者としてお迎えしました。

  • 岩手大学理工学部 教授 高木 浩一 氏(SSH運営指導委員)
  • 岩手大学評価室 教授 大川 一毅 氏(SSH運営指導委員)
  • 盛岡大学文学部日本文学科 教授 遠藤 可奈子 氏
  • 盛岡大学文学部日本文学科 教授 嶺岸 玲子 氏
  • 盛岡大学栄養科学部栄養科学科 教授 村元 美代 氏
  • 宮城教育大学教育学部 講師 廣瀬 航也 氏
  • 一関工業高等専門学校 名誉教授 貝原 巳樹雄 氏
  • 一関市市長公室 次長兼政策企画課長 飯村 昌弘 氏(SSH運営指導委員)
  • 合同会社ハルノ企画 代表 櫻井 陽 氏
  • 一般社団法人一関青年会議所 郷土文化交流委員会 委員長 菅原 翔太 氏
  • 一般社団法人一関青年会議所 若者活躍社会創造委員会 委員長 鈴木 達也 氏
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構 主任専門員 奥谷 雅之 氏
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