R5 高大連携講座・地域連携講座(未来探究講座)12月)

令和5年12月12日(火)から15日(金)の四日間、三者面談期間の午後1:45~2:55に、高大連携講座・地域連携講座(未来探究講座)を10講座実施しました(うち1講座はオンラインで実施しました)。当日は、生徒だけでなく一部の保護者の方にもご覧いただきました。

本講座の目的は、以下の通りです。

  • 【高大連携講座】
    • 大学で取り組まれている研究や学習の内容について学ぶことで、その分野に関する興味・関心を高め、将来の進路選択に役立てる。
  • 【地域連携講座】
    • 地域で活躍する方から、さまざまなデータに基づいて地域の現状について学ぶことで、地域に関する興味・関心を高めるとともに、地域が抱える課題の解決に向けてどのように取り組むことができるのか、解決方法を創造する力を養う機会とする。

今年度より、附属中学校の総合的な学習の時間の一環である「未来探究講座」として位置付けられ、附属中学生が(地域連携講座と合わせて)1講座以上受講しています(高校1年生も同様)。

7月の講座に続き、「自分の学びは、自分で作る!」と題して、生徒組織の中に作られたSSH委員会の生徒と附属中学校3年生希望者によって、受講する講座が選ばれました。

講師の先生には、講義テーマの内容に加えて、キャリアにつながる内容として「中学校・高校のころ、進路についてどのように考えていたか」、「何がきっかけで、今の研究分野に興味を持つようになったか」、「大学に進学した際に選んだ学部・学科と、その学部・学科を選んだ理由」、「大学ではどのようにして学びを深めたか」等の話もしていただきました。

月日講義テーマ講師参加者
12月12日(火)半導体のしくみ岩手大学理工学部
教授 西館 数芽 氏
67人
地域の価値をリ・デザイン
地域資源を活かしてしごとをつくる
株式会社セイコウ
代表取締役 阿部 徹 氏
19人
12月13日(水)「赤ちゃんポスト」とは何だったのか
―日本の社会的養護を考える
東北学院大学法学部
教授 遠藤 隆幸 氏
24人
交渉の心理学東北学院大学人間科学部
教授 福野 光輝 氏
140人
天然由来の毒とくすり岩手大学理工学部
教授 中崎 敦夫 氏
47人
12月14日(木)少子高齢化と人口減少東北学院大学地域総合学部
教授 熊沢 由美 氏
23人
がんってどういう病気?東北大学大学院医学系研究科
教授 古川 徹 氏
78人
ICTを活用した放牧牛の管理岩手県農業研究センター畜産研究所
上席専門研究員 尾張 利行 氏
20人
12月15日(金)マネジメントの理論と実践
Control your Destiny, or someone else will !
富士大学客員教授
(中京大学名誉教授)
宮川 正裕 氏
24人
若者が直面する労働問題東北学院大学地域総合学部
准教授 宮地 克典 氏
31人

【講義の様子と生徒の感想】

  • 初めの方は所々でしか理解ができなかったが、大体を理解し応用で理解が追いつき嬉しかった。学習への好奇心はこのようなところから生まれるのだと実感した(中2)。【西館先生の講義】
  • すごく面白かった。自分の今後のやりたい仕事や行きたい大学について明確にすることが出来た気がする。やりたいことを学べるように今後も勉強を頑張って行きたい。まだ理解できないこともいくつかあったからそこは自主学習で解消していきたい(高1)。【西館先生の講義】
  • とても興味深かった。何を始めるにも人脈が必要なのはそのとおりだと感じる。実際に輪を広げてやりたいことを実現できてとてもすごいと思った。自分は完璧にしようとしてしまって何も始められていない。まず行動することが大切だと知って、自信になった。自分も将来地域のためになにかしたいと考えている。まずは地域を知るという行動から始めていきたい(中3)。【阿部先生の講義】
  • 今までずっと商店街が閑散としていることを課題だと感じていました。今回の講義を受け、商店街の活性化のために頑張っている人がいることを知れてよかったです。また、起業することに少し興味を抱いていたので、自分の将来についてよく考える機会を持てました。 起業への興味はより一層強くなりました(高1)。【阿部先生の講義】
  • 有機化学の分野に関して深い学びを得ることができ、より一層有機化学に対する興味がわき、 他にはどのような薬に関して使われているのだろうかと疑問に思った(高1)。【中崎先生の講義】
  • とても面白かったです!!自分の興味のある分野について高校で習う有機化学の知識を活かして考えることができ学びになった。薬は毒から発見されたり、薬として使われる活性物質が鍵ではなく鍵束のようなものであるという考え方を初めて知ったし、面白かった!(高3)【中崎先生の講義】
  • 赤ちゃんポストを題材にした小説を読んだことがあって気になっていたので、まずどんなものだったのか知れてすごくよかったです。子供の命を救うためにはお母さんの情報を「隠す」ことが大事だけれど、その子の将来のためにはその情報を「明かす」ことが大事で、、、難しいなと思った。 新聞や動画、プリントなどを使って解説してくれて分かりやすかったです(中1)。【遠藤先生の講義】
  • 私は、この講座を聞く前は産んだ人が赤ちゃんポストに預け、そのスタッフが子供を大切に育てる施設だとおもっていた。しかし、この講座を聞いて、預けたら、医者がその赤ちゃんの戸籍を受けとった夫婦の実子だと偽装して赤ちゃんを渡すと学んだ。でも、これは違法だから、養子として預ければ合法だったと問題になっている。なぜ、違法承知でこんなことをしたのかというと、中絶を無くすためということだ。どっちの気持ちも分かるので難しい問題だと思った。内密出産は、何らかの事情で自分が産んだと新しいパートナーに分からないように戸籍を偽装したものだと学んだ。また、病院内だけで戸籍を収めておくから、子どもが大人になったら知らせるという「隠す大切さ」と「知る権利」を学んだ。法学を学びたい私には、興味深い内容だった(高1)。【遠藤先生の講義】
  • 日常生活の中でも交渉の場は意識しなくても訪れています。委員会での話し合いっだたり、学校の方針を審議する議案書審議だったり。お互いの望むことをいいように分割することは日頃から「難しいな…」と悩んでいました。この交渉の分割や立場を理解すること、時にはある程度妥協して、双方納得することも交渉の技術なんじゃないかな、と考えました。楽しかったです!(中1)【福野先生の講義】
  • 「交渉」というワードに対して、自分の主張を通す為のバトルのようなイメージをもっていたが、今回の講座で、その実態について知ることができた。最初に行った実験では、交渉の中で相手の優先する争点が自分の優先する争点とは違っていたことに気づき、「交渉」とはバトルではなく、互いの利益をより大きくする為の共同作業なのだと思い知った。言葉の表面でなく相手の本来意向を探すという姿勢を日常生活の中でも大切にしていきたい(高1)。【福野先生の講義】
  • 高齢化や少子化は社会に授業でも学習したが、さらに深く学ぶことができた。ただ理解するだけでなく、疑問を見つけて深めることが大切だと分かった(中2)。【熊沢先生の講義】
  • 将来地方公務員として行政に関わりたいと思っていて、こうした地域課題について興味があったので参加しました。いろいろな事情が絡み合って、こうした問題が生じていると実感したので、若い人の力が必要だと思った(高1)。【熊沢先生の講義】
  • 動物に関する研究は、様々な事象が複雑に起こっているため難しいということでしたが、最新の技術を活用してたくさんのデータから関連付け、見出すというのがとても面白かったです。特に牛の移動距離と血中成分で転牧のタイミングをわかりやすくするというお話が、今入試に向かって必要だとよく言われる、「複数のデータから読み取る力」に繋がるような気がしました。 日本短角種の畜産という一つの観点から岩手、そして世界の未来が見えるような気がしてとても興味が湧きました(中2)。【尾張先生の講義】
  • 私はもとから動物に興味があったので放牧の仕組みや畜産について詳しく知ることができて、もっと動物に興味を持つことができました(中2)。【尾張先生の講義】
  • がんについて詳しく学ぶことができて医学の楽しさも少しわかった。将来の道を考えるときに少しでも役立つことがあると思うので今日学んだことを忘れずに、進路を真面目に考えるきっかけにしようと思った(中2)。【古川先生の講義】
  • 癌に対する知識があまりない自分でもわかる言葉を用いながらの講座で最後まで興味を持って話を聞くことができた。自分は医療について、高い興味関心を持っていたので、このような講座を受けられて本当に良かったと思った。癌以外の病気もどのようにしてなるのか、どのようにして治療するのかを知りたいと思った。(高1)。【古川先生の講義】
  • 周囲の人全体を敵として認識するのではなく、同じ目標を掲げる同士、支え合える人と認識することが大切だと学んだ。また、先の道筋を明確にし、一つ一つの反省から自己を分析して目標の見える化をしていこうと思えた(中2)。【宮川先生の講義】
  • 今回の講座を受ける前ではマネジメントとということについてほとんど知識がない状態だったが、講座を受け、経営学について知り自分のこれからの将来で役立つだろうということがよくわかった。受講にあたって「競争より協調を」という先生の言葉はとても印象に残った。なにをするにあたっても競争することはあるけれど協調することが競争よりも大切だということを心に留めてこれからの生活を送り、受験に挑んでいきたい(高1)。【宮川先生の講義】
  • 中3の公民の授業と繋がる部分(労働など)が多くて興味深いと感じました。34歳〜39歳までというように「若者」と呼ばれる人の範囲が広いからこそ、新卒、再雇用を希望する人というように様々な事柄が絡み合い、その分、問題も多いと感じました。ありがとうございました(中3)。【宮地先生の講義】
  • 大学で何を学んだかよりも、学びを通じて何が身についたのかが就職で求められることが意外だった。日本の若者の三年以内離職率の高さに驚いた(高1)。【宮地先生の講義】
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