R60615 大学実験講座「光と医療」

令和6年6月15日(土)9時~16時に本校の物理教室で、大学実験講座を行いました。通常、大学や研究機関の実験・実習は、その場所に行かないと体験することができませんが、今回初めて、大学の先生をお招きして実施することができました。

本講座の目的は、電気電子分野や医療工学分野 に関する講義及び実習を通して、 最先端の研究内容に関する興味・関心を高め るとともに、学習内容がどのように研究に生かされているのか理解を深めることです。

高校は前日まで前期末考査がありましたが、12名の生徒が参加しました(内訳:高2年生2名、高1年生5名、中3年生1名、中1年生4名)。中学生と高校生が一緒に受講できるのは、中高一貫校である本校ならではの取り組みです。

講師は、宇都宮大学工学部 基盤工学科 情報電子オプティクスコースの東口武史教授です。TA(ティーチング・アシスタント)として研究室の学生さんも7名参加してくださいました。実験器具は、実際研究室で使われているもので、本校には無いものばかりで、全て持ってきていただきました。

実験の内容

  1. ノーベル賞のレーザーをつくってみよう
  2. 光ファイバーをつなげて,レーザービームを通してみよう
  3. 電気信号のスピードを測ってみよう!光よりも速い?それとも遅い?
  4. プログラミング!PythonとChatGPTで!
  5. クスリ(錠剤)の立体を測ってみよう
  6. やけどさせて病気を治す!心臓の不整脈手術に向けた新しい治療法になる?
  7. 脳外科手術のための新しい三次元外視鏡を開発しよう

TAの学生さんが実験ブースの準備を終えるとともに、実験講座開始です。東口先生から簡単に実験ブースの説明があった後、生徒が興味を持ったブースの前に移動し、すぐに実験が始まりました。実験ブースには1名TAの学生さんが付き、実験装置の組み立てから進んでいきました。

開始から3時間近く、誰一人集中を切らすことなく実験を進めていました(学校の授業ではみられない光景です)。1時間の昼食休憩を挟んで、実験再開。午前中の実験を続ける生徒、午後から違う実験に取り組む生徒、と自分の興味に基づいて取り組みが続きました。

時間の経過とともに、実験が形になっていき、あちこちで拍手の音が聞こえてきました。中学3年生がレーザー光を安定させて発振させたのは、初めてのことかもしれないとのことでした。

活動の様子

参加生徒の声

【参加して良かったこと】

  • 学校では、自分で考えて実験する、ということはしないので自分で何を使ってどういう風に使うのか、そして、どうしたら理想に近づくのか、考えながら実験したので想像力、集中力、考える力、あきらめない力、がついたと思います。時間を忘れてしまうほど、集中できました。また、大学院の皆さんともお話しできて、今後の進路についても考えることができました。(中1)
  • 大学の授業のように自分でテーマを選べること。1日中好きなテーマに取り組んでもよいし、違うテーマの実験に切り替えてもよかったこと。また、少人数だったため色んなことを質問しやすかったし、活動がしやすかった。私はノーベル賞を受賞したレーザー光を作った。根気強く取り組む必要があったが大学院生さんはどんなときも優しく教えてくださった。また。大学生活や宇都宮大学の特徴・良いところなど自分の将来の姿のよい体験となった。進路選択に生かしたい。(中3)
  • 今回初めて光という分野に触れてみて、光の速度は実際にあっているということや、レーザーはどんな仕組みかを知ることができてよかった(高1)
  • やってみたいことが増えたし興味の幅が広かった(高1)
  • 最先端の科学技術に触れることができたこと。自主性を鍛えられたこと(高2)
    今まであまり興味がなかった分野について触れてみて、その分野の楽しさを知ることができたこと。(高2)

【感想】

  • 高校での授業は基本受け身であることが多いため、今回の活動には少し戸惑う部分もありましたが、それ以上に大学と高校の違い、いわば大学は研究機関であるというのを身をもって体感することができ、自分にとってはとても大きな経験となりました。新しい刺激を受けることができて良かったです。私も研究機関の一員となれるように、日々の努力を忘れずに生活したいと強く思いました。(高2)
  • 光と医療の関係について、始めは分からなかったけど、知ることができて良かった。また、何も知らない状態で一から実験器具を組み立てたことが始めてで大変だったけど何度も試行錯誤をして結果、できてすごく楽しかったし嬉しかったです。また機会があれば参加したいと思いました。(高2)
  • 初めてやることが多くて新鮮だったけど習っていない内容も多く入っていたので難しかった。チャットGPTを使うのがなかなか上手く行かなかったけど楽しかった。(中1)
  • 実験ではmWを調整する作業と波長を合わせる作業がメインとなった。私はmWが安定せず、正直実験は成功できないのではないのかと思っていた。でも、大学院生さんはアドバイスをちょっとずつでもわかりやすく教えてくださった。そして、それでもうまくできないときには一緒に取り組んでくださった。そして最終的には実験を成功させることができた!大学院生さんの方々は成功したとき皆さんで拍手をしてくださった。本当に優しい方たちばかりでとても心地よく活動することができた。友達などおらず最初はとても不安だったが、そんなことはまったくなく、のびのびと活動できた。今回この講座に参加することができて本当に良かったです。またこのような講座があったら参加したいです!(中3)
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